ENGINEERS' COLUMN

vol.4

公開日:2025/12/24

ITインフラ機器のOSのバージョン選定

  • 運用

「ハードウェアのサポート終了はまだ先なのに、そこで動いているITインフラ機器のOS(ファームウェア)のバージョンのサポート期間が終了している」

このような話を聞いたことがある(または指摘されたことがある)方も少なくないのではないでしょうか。
VMware ESXiやWindows/LinuxのようなホストOSは、比較的情報は見つけやすく周知されることが多く、利用者の方もきちんと把握されていることが多いと思います。しかし、ネットワーク機器やストレージ機器のような専用機のOSについては、どうしてもアップグレードが後回しになったり、忘れられてしまうことがよくあります。

OSアップグレードの主な目的は以下の通りです

  1. 不具合修正、セキュリティ対応
  2. 安定化
  3. 機能追加

一般的には、導入時に設計した機能要件を満たしていれば十分と考える場合が多いことから、3の目的でアップグレードを検討される利用者は少ないでしょう。しかし、これ以外についてはアップグレードを行っていくことが必要です。1は重要であることはもちろんですが、実は2というところで改善が図られていることは多くあります。安定化とは、例えば以下のようなことを指します。

  • 機器内部のIO処理の最適化(パフォーマンス向上に寄与)
  • ソフトウェアによるエラー処理の閾値見直し(不要な障害の回避)

必要性は理解していても、システムのメンテナンス時間の確保や、サービスへの影響、費用面でアップグレードの計画が難しい場合もあります。これについて、製品にもよりますが、LTS(Long Term Support:長期間サポート)バージョンと呼ばれるOSを設けている製品があります。特に、ストレージ機器のOSはリリースから6か月~12か月程度のサポート期間であることが多いことに対し、LTSバージョンのOSでは24か月や36か月という長期間のサポート期間を提供していることがあります。LTSバージョンでは原則として機能追加はありませんが、不具合修正やセキュリティ対応については、パッチや小規模アップグレードによって対応されることがあります。サポート期間終了後のバージョンを利用し続けた場合、利用者のデメリットが大きいため、弊社はLTSバージョンが提供されている場合、LTSバージョンの利用を強く推奨しています。

サポート期間終了後のデメリット…基本的に既知情報の範囲の調査のみ行われます。未知の問題が発生した場合には、サポート期間中のバージョンへアップグレードを行わなければ、継続調査が難しい場合があります。

例)LTSバージョンのサポート期間イメージ

image
導入時期に応じて、Ver1.1やVer1.4の利用を推奨。

LTSバージョンの利用でアップグレード頻度を少なくすることは可能だと思いますし、機能追加による新たな不具合にあたることも避けられます。また、同一LTSバージョンにおいては、関連機器との接続性やソフトウェアの互換も維持されることが多く、システム全体の影響も最小限に抑えることができます。

なお、LTSが存在しない場合は、推奨バージョンというものが多くの製品で提供されており、こちらの利用を推奨しています。本記事がバージョン選定の参考になれば幸いです。

本ページに記載されている社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。

廣原 保志

著者情報

廣原 保志

テクニカルサポート本部 テクニカルサポート第2部 エキスパートエンジニア

1998年入社。ストレージ製品を主に担当。QAサポートからサービス企画まで幅広い業務に従事。
HPE Master ASE Storage Solutions資格ホルダー。
JDSF(Japan Data Storage Forum)元理事。

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